住宅ローン控除で住民税はいくら戻る?
所得税から引ききれない人の正解
「住宅ローン控除って、所得税で引ききれないと住民税に回るんだよね?」 「でも、実際いくらまで? 97,500円って何? 136,500円の人もいるの?」 ──この“いちばん検索されやすいのに、いちばん分かりにくい部分”を【つまずき救済】の8段階でやさしく整理します。
この記事から分かること
- 住宅ローン控除が所得税→住民税の順で効く理由
- 住民税で戻る上限の考え方(97,500円 / 例外136,500円)
- 自分はいくら戻りそうかをざっくり判断する方法
- 住民税決定通知書で反映を確認する場所
- 「戻っていない」と勘違いしやすい3つの落とし穴
結論:住宅ローン控除は、まず所得税。余りがあれば住民税に回ることがある
先に結論を言うと、住宅ローン控除は最初に所得税から引かれます。 そのうえで所得税だけでは引ききれなかった分について、一定額まで住民税から控除される場合があります。 ただし、住民税で戻る額は無限ではありません。 多くのケースでは上限は「課税総所得金額等の5%(最大97,500円)」で、 一部の経過措置に該当する人は7%(最大136,500円)になることがあります。 つまり大事なのは、「年末残高×0.7%」だけを見て終わらないことです。
そもそも、なぜ住民税に回るのか
ここで多くの人がつまずきます。 住宅ローン控除は「年末の住宅ローン残高に応じて税金が安くなる制度」ですが、 実際に引けるのは“自分が払う税金の範囲内”だけです。
たとえば、控除額が20万円あっても、その年の所得税が10万円しかなければ、 所得税からは10万円までしか引けません。 このとき、残りの一部を翌年度の住民税から控除する仕組みが用意されています。
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所得税が少なめ
住宅ローン控除額に対して、引ける所得税が小さい人です。
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共働きで控除を分けている
片方だけ所得税が少ないと、住民税側まで回ることがあります。
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控除額が大きい
借入残高が大きい、または控除期間中で控除額が大きい人です。
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“余った分が全部戻る”ではない
住民税側には上限があり、全部は戻らないことがあります。
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その場で現金が振り込まれるわけではない
多くは翌年度の住民税が軽くなる形で反映されます。
-
通知書を見ないと実感しにくい
「戻っていない」と思っても、住民税で効いているだけのことがあります。
まず覚えるべき1行
住宅ローン控除は「所得税で引けるだけ引く → 残りの一部を住民税で救う」制度です。
ひと目で分かる整理表
まずは“どこまで戻るのか”を、ざっくり表で整理します。
| 項目 | 考え方 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 控除の順番 | まず所得税、余りがあれば住民税 | 最初から住民税で引くわけではない |
| 住民税で戻る額 | 「所得税で引けなかった額」と「住民税側の上限」の小さい方 | 余った分が全額戻るとは限らない |
| 住民税側の上限 | 多くは課税総所得金額等の5%(最大97,500円) | 一律97,500円ではなく“5%との小さい方”でもある |
| 例外 | 一部の経過措置では7%(最大136,500円) | 令和4年入居でも全員ではない |
| 反映タイミング | 翌年度の住民税で反映 | 給与明細だけ見て気づきにくい |
| 確認場所 | 住民税決定通知書・給与明細・自治体の通知 | 名称が自治体や会社でやや違う |
多くの人の基本線
令和4年〜令和7年入居の多くのケースでは、住民税側の控除上限は 課税総所得金額等の5%(最大97,500円)で考えると整理しやすいです。
136,500円になる人
一部の経過措置に当てはまる人は、 課税総所得金額等の7%(最大136,500円)が上限になる場合があります。 ここは入居年や契約時期などの条件確認が必要です。
いくら戻る? まずはこの3ステップで考える
ステップ1:住宅ローン控除額を出す
現行制度では、多くのケースで控除率は0.7%です。 ただし、住宅の種類や入居年などで条件が異なるため、最終確認は必ず公式資料で行ってください。
ステップ2:その年の所得税でどこまで引けるかを見る
所得税が少ない人は、ここで引ききれず、次の住民税へ一部が回ります。
ステップ3:住民税で引ける額を見る
ここで初めて「住民税でいくら戻るか」が決まります。 だから、“年末残高×0.7%=そのまま得する額”ではないのです。
ざっくり計算例
年末残高3,000万円、控除率0.7%なら控除額は21万円です。 でも、その年の所得税が12万円しかなければ、所得税で引けるのは12万円まで。 残り9万円のうち、住民税側の上限内なら住民税から控除されます。
9万円が全額住民税で戻るとは限らない
住民税側の上限が7万円なら、戻るのは7万円までです。 残り2万円は控除しきれず、そこで終わります。
初心者がつまずきやすい3つのポイント
「控除額=戻る額」だと思ってしまう
実際は、まず所得税で引ける範囲まで。 さらに住民税側にも上限があるため、控除額がそのまま全部戻るわけではありません。
97,500円を“全員共通の満額”だと思ってしまう
上限は「最大97,500円」であり、同時に“課税総所得金額等の5%”でもあります。 所得によっては97,500円まで届かないことがあります。
通知書を見ずに「戻っていない」と判断してしまう
住民税で効く場合は、現金が振り込まれるのではなく、 翌年度の住民税額が軽くなる形で見えることが多いです。
- 制度の説明を読んでも実感しづらい人ほど、住民税決定通知書を見ると一気に理解が進みます。
- 自治体や会社によって表示名が少し違うので、分からないときは総務担当や自治体窓口に確認しましょう。
住民税決定通知書はどこを見ればいい?
ここが“読後に行動が決まる”いちばん大事な部分です。 住宅ローン控除が住民税に反映されたかどうかは、 毎年6月ごろに勤務先経由または自治体から届く住民税決定通知書で確認するのが基本です。
税額控除欄
住宅借入金等特別税額控除、住宅ローン控除などの表示を探します。
会社経由の通知
会社員は特別徴収税額の決定通知書として配られることが多いです。
自治体の表記差
名称や配置は自治体で少し異なるため、“税額控除”周辺を重点確認します。
確認するときの実務手順
- 前年に住宅ローン控除の申告または年末調整をしたか確認する
- 6月ごろの住民税決定通知書を用意する
- 「税額控除額」や「住宅借入金等特別税額控除」の表記を探す
- 前年の所得税で引ききれなかった控除額があったか思い出す
- 不明なら会社の総務または自治体窓口に聞く
8段階で理解する【つまずき救済】
自分に合った理解レベルを選ぶと、その段階の解説だけ表示されます。
30秒版(超要点)
住宅ローン控除は、まず所得税から引かれます。 所得税で引ききれなかった分は、一定額まで住民税から控除されることがあります。 ただし、住民税側には上限があり、多くの人は「課税総所得金額等の5%(最大97,500円)」が基本です。 つまり、「控除額=そのまま全部戻る」ではありません。
はじめて版:2つの財布で考えると分かりやすい
税金には、ざっくり言うと「所得税の財布」と「住民税の財布」があります。 住宅ローン控除は、まず所得税の財布から引きます。
でも、そこに十分なお金がなかったら、少しだけ住民税の財布からも助けてもらえる。 これが「住民税に回る」という意味です。 ただし、住民税の財布にも“使っていい上限”があります。
- 最初の財布が所得税、次の財布が住民税です。
- 2つ目の財布は無制限ではないので、全部は引けないことがあります。
小学生でもわかる版:どうして全部戻らないの?
たとえば、20円引きのクーポンを持っていても、お店で払うお金が10円しかなければ、20円全部は使えません。 住宅ローン控除もこれに近いです。
まず所得税で使って、残ったら住民税でも少し使える。 でも住民税にもルールがあるので、クーポンを全部使い切れないことがあるのです。
中学生版:97,500円と136,500円の違い
ここがいちばん混乱しやすいです。 住民税で控除できる上限は、入居年や経過措置の条件で変わります。
| 考え方 | 多くのケース | 一部の経過措置 |
|---|---|---|
| 住民税側の上限 | 課税総所得金額等の5%(最大97,500円) | 課税総所得金額等の7%(最大136,500円) |
| 覚え方 | 基本はこちら | 例外はこちら |
| 注意点 | “全員97,500円戻る”ではない | “令和4年入居なら全員136,500円”でもない |
高校生版:数字で見るとこうなる
たとえば住宅ローン控除額が21万円、所得税が12万円、住民税側上限が7万円だとします。
所得税で12万円引く
21万円のうち、まず12万円が所得税で控除されます。
残りは9万円
でも、ここから全部が住民税へ行けるとは限りません。
住民税側上限が7万円なら7万円まで
結果、合計19万円が控除され、2万円は控除しきれず終わります。
大学生版:どんな人が住民税まで回りやすい?
住民税まで回りやすい人
所得税が少なめ
年収や控除状況により、所得税額が小さい人。
借入残高が大きい
住宅ローン控除額が大きく、所得税だけで引き切りにくい人。
共働きで配分に差がある
片方だけ所得税が小さいと、そちらは住民税に回りやすいです。
勘違いしやすい人
“控除額=返金”と思う
実際は税額控除なので、払う税がなければ引けません。
反映時期を知らない
住民税は翌年度反映が基本なので、その年すぐの実感が薄いです。
通知書を見ない
確認書類を見ないと「損した」と感じやすくなります。
社会人実務版:自分で確認するときの順番
実務では、この順番で見ると迷いが減ります。
前年に住宅ローン控除の手続をしたか確認
1年目は確定申告、2年目以降は年末調整が基本です。
控除額と所得税額をざっくり把握
所得税で引ききれなさそうなら、住民税側も見る必要があります。
6月ごろの住民税決定通知書を確認
税額控除欄や住宅ローン控除の表記を探します。
想定額と実際の反映を比べる
ずれているようなら、申告内容や適用条件を見直します。
不明なら自治体・勤務先・税務署へ
住宅ローン控除の制度説明は国税、住民税の反映確認は自治体確認が有効です。
専門家版:制度の細部で誤解しやすい点
住民税側の上限は“定額”ではなく“割合との小さい方”
97,500円や136,500円だけを覚えるとズレます。 実際には、課税総所得金額等の5%または7%との比較が入るため、所得水準で上限額が下がる人もいます。
入居年・契約時期・住宅区分で整理するのが安全
令和4年〜令和7年入居でも、例外扱いになるかは一律ではありません。 認定住宅等かどうか、契約時期、消費税率などの条件確認が必要です。
令和8年以降は制度延長・拡充があるが、全員同条件ではない
住宅ローン減税は令和8年以降入居分で延長・拡充が盛り込まれていますが、 省エネ要件や住宅区分などの条件確認が前提です。
- 最終判断では、国税庁・国土交通省・自治体の最新資料を必ず確認してください。
- 住民税の具体的反映欄は自治体の通知様式によって差があります。
あなたが取るべき行動シナリオ
まだ1年目・2年目で不安なら
最初の行動
前年の申告・年末調整ができているかを確認する。
次にやること
住民税決定通知書で税額控除欄を見る。
ポイント
“戻っていない気がする”を感覚で終わらせず、通知書で確認する。
戻る額が思ったより少ないなら
まず確認
所得税でいくら引けたか、住民税側上限がいくらかを分けて考える。
注意点
控除額が大きい=同額戻るではありません。
次アクション
住民税通知書、源泉徴収票、申告内容をセットで確認する。
よくある質問
Q. 住宅ローン控除で住民税は必ず戻りますか?
必ずではありません。所得税で全部引ききれる人は、住民税に回りません。 また、住民税に回る場合でも上限があります。
Q. 97,500円は全員に当てはまりますか?
いいえ。多くのケースの基本線ではありますが、 実際は「課税総所得金額等の5%」との小さい方です。 さらに一部の経過措置では136,500円上限になる場合があります。
Q. 住民税で戻るのはいつ分かりますか?
多くは翌年度の住民税決定通知書で確認しやすいです。 会社員なら6月ごろに会社経由で通知されることが一般的です。
Q. 1年目と2年目以降で違いはありますか?
あります。1年目は原則として確定申告が必要で、 2年目以降は勤務先の年末調整で処理するのが基本です。 ただし条件により例外もあるため、最終確認は公式情報で行ってください。
Q. 令和8年以降は制度が変わりますか?
変わる部分があります。住宅ローン減税は令和8年以降入居分について延長・拡充が示されていますが、 住宅区分や省エネ要件などの条件確認が必要です。
まとめ:住宅ローン控除は「控除額」より「引き切れるか」で考える
- 住宅ローン控除は、まず所得税から控除され、引ききれない場合に限って住民税へ一部が回ります。
- 住民税側は、多くのケースで課税総所得金額等の5%(最大97,500円)が基本です。
- 一部の経過措置では7%(最大136,500円)になる場合がありますが、全員ではありません。
- 「戻っていない」と感じたら、まず住民税決定通知書の税額控除欄を確認しましょう。
- このテーマの正解は、制度の丸暗記ではなく、自分の通知書で確認できることです。
一次情報・確認用リンク
- 国税庁|住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除Q&A)
- 国税庁|年末調整のしかた(住宅借入金等特別控除関係)
- 国土交通省|住宅ローン減税
- 自治体の住民税住宅ローン控除案内(例:堺市など)
自治体ごとに通知書の様式や案内ページが異なるため、お住まいの市区町村サイトも確認してください。


