あなたのグラフが絶望的に分かりにくい「3つの理由」
なぜ、あなたの作ったグラフは伝わらないのでしょうか?
センスは関係ありません。
原因は、Excelのデフォルト機能に頼りすぎることで陥ってしまう、3つの典型的な「罠」にあります。
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理由 1
グラフに「メッセージ」がない
最もありがちで、最も致命的なのがこれです。
あなたのグラフ、タイトルがただの「ラベル」になっていませんか?
良いグラフのタイトルは、そのグラフが示す「結論」になっています。
悪い例 (Before)
タイトルがただの「説明」になっており、どこを見ればいいか分からない…。
良い例 (After)
タイトル自体が「結論」になっており、注目すべき点が色で強調されている!
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理由 2
情報が多すぎて「ノイズ」まみれ
Excelのデフォルト設定は、時に親切すぎます。
グラフの枠線、背景の補助線、凡例…。
メッセージの伝達を邪魔するこれら「ノイズ」は、徹底的に削ぎ落とすべきです。
悪い例 (Before)
Excelが自動で付け加えた補助線や凡例が、主役であるデータを見る邪魔をしている…。
良い例 (After)
不要な線をすべて削除。伝えたいメッセージとデータだけが目に飛び込んでくる!
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理由 3
色選びが「自己満足」になっている
カラフルな資料は、逆にどこが重要か分からなくなります。
色は「無彩色(グレー)+強調色1色」が基本。感情ではなく、ロジックで色を使いましょう。
悪い例 (Before)
Excelデフォルトの虹色カラー。
全ての要素が同じように主張してしまい、まとまりがない…。
良い例 (After)
伝えたい部分だけを強調色に。
その他はグレーアウトすることで、メッセージが明確になる!
【応用編】もう迷わない!グラフの種類の戦略的な使い分け
基本の3原則を押さえたら、次は目的に合わせて最適なグラフの種類を選ぶステップです。
この4つの使い分けをマスターするだけで、あなたの表現力は格段に上がります。
折れ線グラフ
月ごとの売上推移や年間の気温変化など、時系列に沿ったデータの浮き沈みを見せるのに向いています。
円グラフ
市場シェアや年代別の顧客構成比など、全体に対して各項目がどれくらいの割合を占めるかを示します。
積み上げ棒グラフ
各支店の売上と、その中での商品A,Bの内訳など、複数の要素を一度に見せたいときに強力です。
【コピペで大損】パワポにグラフを貼る"正しい"方法
完成したグラフをパワポに貼る時、あなたはどうしていますか?
もし単に「Ctrl+C` → `Ctrl+V」で貼り付けているなら、修正の手間やファイル破損のリスクを抱え込んでいます。
ここでは、グラフをパワポに連携させる「2つの神ワザ」を紹介します。
これを知るだけで、あなたの作業効率は劇的に向上します。
非推奨:ただのコピペ
元データとの連携が切れ、パワポ上で直接編集できてしまうため、数値のズレや破損の原因になりやすい。
推奨:目的別に貼り分ける
パワポでグラフを右クリック。「貼り付けのオプション」から、目的に応じて最適な形式を選択する。
図として貼り付け
グラフが画像になるため、見た目が崩れず、ファイルも軽くなる。
デザインを確定させたい最終版や、他人へ送付する資料に最適。
覚え方はこれだけ!
「修正するならリンク貼り付け、確定したら図として貼り付け」
まとめ:「伝わるグラフ」にセンスは不要。知っているか、いないか。
あなたのグラフが劇的に変わる、鉄則とテクニックを解説しました。
- タイトルを「メッセージ」にする:グラフの「説明」ではなく「結論」を書く。
- 徹底的に「ノイズ」を消す:不要な線、凡例、枠はすべて削除する。
- 色は「無彩色+1色」で使う:主役以外はグレーにし、伝えたいことだけを目立たせる。
- パワポ連携をマスターする:「リンク貼り付け」と「図として貼り付け」を使い分ける。
良いグラフとは、説明がなくても、見た瞬間に作り手の意図が伝わるもの。
ぜひ、次にあなたが作る資料から、これらの鉄則を実践してみてください。
上司や同僚の反応が劇的に変わることをお約束します。
次のステップへ
最高のグラフができても、プレゼン全体の構成が悪ければ承認は得られません。
見やすいグラフと伝わる構成、両方揃って初めて「一発OK」が見えてきます。
そして、構成とグラフが完成したら、最後に資料全体の印象を決定づけるのが「フォント」です。