2015年の制度開始から約10年。今や国民の約8割が持つマイナンバーカードですが、「正直、あまり使っていない」「メリットがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、2025年3月からの運転免許証との一体化が本格化し、私たちの暮らしとの関わりは、これまで以上に深まっています。さらに政府は、2028年度中の導入を目指し、より便利で安全な「次期マイナンバーカード」の検討を進めています。
この記事では、「もう持っている人」も「これから作るか迷っている人」も、絶対に知っておくべきマイナンバーカードの最新情報を、メリット・デメリットから更新の注意点、今後の未来像まで、分かりやすく解説します。
メリット・デメリットを天秤にかける
知っておきたい5つのメリット
これからの時代、カードを持つことで得られる具体的な利点です。
- 1枚で完結
健康保険証や運転免許証など、複数のカード機能を集約できる。 - 手続きが時短に
役所に行かず、コンビニやスマホで24時間手続きが可能になる。 - 手数料がお得
証明書のコンビニ交付は、役所の窓口より手数料が安い。 - オンラインで完結
銀行口座開設など、これまで対面必須だった契約がオンラインで可能に。 - 医療がスムーズに
過去の薬や健診データを医師と共有でき、より良い医療につながる。
注意すべき3つのデメリット
メリットだけでなく、注意点や懸念点も正しく理解しましょう。
- 情報漏洩のリスク
紛失・盗難時に悪用される懸念。ただしICチップに個人情報はほぼ入っていない。 - 暗証番号の管理
複数(現状4種類)の暗証番号があり、忘れると役所で再設定が必要。 - 定期的な更新
カード本体は10年、電子証明書は5年で更新が必要。(※更新費用は無料)
一番知りたい!更新しないとどうなる?
「もし更新を忘れたら、罰金や罰則があるのでは…?」
多くの方が抱くこの疑問にお答えします。
ペナルティ(罰則)は?
更新を忘れたからといって、法的に罰せられることはないので安心してください。
失効によるデメリット
- 公的な本人確認書類としての利用
- マイナ保険証としての利用
- コンビニでの証明書発行
- e-Taxなどのオンライン申請
更新費用や方法は?
有効期限が近づくと通知が届きます。手続きは、スマホやPC、郵送、対応する証明写真機から簡単に行えます。
免許証一体化の場合は?
マイナンバーカードの未来予想図
マイナンバーカードの進化はまだ止まりません。
政府が計画する、これからのロードマップを整理しました。
決定・推進中のこと
- 運転免許証との一体化
(2025年3月〜順次) - 在留カードとの一体化
(2028年度中の実現を目指す) - オンライン本人確認を一本化
(将来的に銀行口座開設などはマイナカードに) - 次期カードへの刷新
(2028年度中の導入を目指す)
予定・検討中のこと
- ハローワークカードとの一体化
- 教員免許状など国家資格証との連携
- 成人の更新手続きオンライン完結
- 大学などでの学生証としての利用
【2028年度導入へ】次期カードでこう変わる!
当初2026年とされていましたが、2025年6月の閣議決定で2028年度中の導入を目指す方針に変更。
より使いやすく、プライバシーにも配慮したカードに生まれ変わります。
現行カード (BEFORE)
- 券面の性別表記
氏名などと共に性別が記載されている。 - 暗証番号の種類
最大4種類の暗証番号の設定が必要で、管理が複雑。 - 電子証明書の有効期限
発行から5回目の誕生日まで。更新手続きが早めに必要。 - カードの名称
マイナンバーカード
次期カード案 (AFTER)
- 券面の性別表記→廃止
プライバシーに配慮し、性別情報はICチップ内にのみ記録。 - 暗証番号の種類→2種類に
利用者の負担を軽減し、よりシンプルに。 - 電子証明書の有効期限→10年に延長
カード本体の有効期限と統一され、更新の手間が減る。 - カードの名称→変更を検討
より親しみやすい名称が公募された。
まとめ:進化するカードを正しく理解し、賢く活用しよう
マイナンバーカードは、もはや単なる番号証明書ではありません。健康、運転、行政手続き、そして将来の様々なサービスを繋ぐ、「デジタル社会のパスポート」へと確実に進化しています。
「更新を忘れても罰則はない」けれど「失効すると不便になる」。こうした点を正しく理解した上で、その利便性を最大限に活用することが、これからの時代を賢く生きるための鍵となるでしょう。まずは第一歩として、お近くの病院や薬局で「マイナ保険証」として使ってみてはいかがでしょうか。