【2026年確定申告】セルフメディケーション税制とは?
医療費控除とどっちが得?
対象市販薬・必要書類・スマホ申告まで完全ガイド
「風邪薬・湿布・花粉症薬をドラッグストアで買ったけど、これって控除できるの?」
「医療費控除と何が違うの?」「病院代が少なくても使える?」――。
このページでは、セルフメディケーション税制の仕組み → 医療費控除との違い → どっちが得かの判定 → 必要書類 → スマホ申告まで、迷わず終わる形でまとめます。
この記事で分かること
- セルフメディケーション税制とは何かを1分で理解
- 医療費控除との違いと、どっちが得かの基準
- 対象市販薬とレシートの見方
- 一定の取組と必要書類
- スマホでの確定申告手順と注意点
まず結論:こんな人はセルフメディケーション税制を先に疑う
先に結論です。
病院代がそれほど多くなくても、風邪薬・胃薬・湿布・花粉症薬・水虫薬などの対象市販薬をドラッグストアで年間12,000円超買っているなら、セルフメディケーション税制を使える可能性があります。
12,000円ライン
対象市販薬の年間購入額が12,000円超で検討開始です。
対象は全部の市販薬ではない
対象OTC医薬品だけです。サプリ、栄養ドリンク、日用品は基本的に対象外です。
一定の取組が必要
健康診断、予防接種、人間ドックなどの一定の取組を、その年に行っている必要があります。
医療費控除と二重取り不可
通常の医療費控除とは選択制で、両方は使えません。
向いている人のイメージ
- 病院にはあまり行かないが、市販薬代が地味に多い
- 家族分の風邪薬・花粉症薬・湿布を、毎年ドラッグストアでまとめ買いしている
- 会社の健康診断やインフル予防接種を受けていて、一定の取組の条件を満たしやすい
- 通常の医療費控除の10万円ラインに届かないことが多い
逆に、通常の医療費控除が有利になりやすい人
- 通院・歯科・治療費が大きい
- 家族分も含めると医療費合計が10万円超または所得の5%超になりやすい
- 交通費なども含めると通常の医療費控除のほうが大きくなる
セルフメディケーション税制とは?制度をやさしく説明
ざっくり言うと、一定の健康管理をしている人が、対象の市販薬を年間で一定額以上買ったときに使える、医療費控除の特例です。
使える人
その年に一定の取組を行っている居住者です。
家族分も対象
自分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために買った対象市販薬も含められます。
控除額
対象医薬品の購入額 − 12,000円で、上限は88,000円です。
大事な注意
この制度を選ぶと、通常の医療費控除は使えません。
「一定の取組」って何?
名前だけ聞くと難しそうですが、実務ではそこまで身構えなくて大丈夫です。
たとえば、次のようなものです。
- 会社の定期健康診断
- 人間ドックや各種健診
- インフルエンザなどの予防接種
- 特定健診(いわゆるメタボ健診)
- 市区町村のがん検診
しかも、ここで重要なのは、一定の取組が必要なのは申告する本人だという点です。
家族全員が健康診断を受けている必要はありません。
対象になる市販薬は?
これも誤解されやすいですが、ドラッグストアで買ったものが全部対象ではありません。
対象は、スイッチOTC医薬品や、令和4年以降に範囲が拡充された一定のOTC医薬品です。
実務では、レシートに「セルフメディケーション税制対象」などの表示があるかを見るのが最も早いです。
【早見表】セルフメディケーション税制と医療費控除の違い
どっちが得かは、制度の入口条件と控除額の計算式が違うので、ここを整理すると一気に判断しやすくなります。
| 比較項目 | セルフメディケーション税制 | 通常の医療費控除 |
|---|---|---|
| 対象 | 対象の市販薬(OTC医薬品) | 病院・歯科・治療費・処方薬などの医療費全般 |
| 使う条件 | 一定の取組をしていること | 特別な健康診断要件はなし |
| 控除の入口 | 対象市販薬の購入額が12,000円超 | 医療費が10万円超、または所得200万円未満なら所得の5%超 |
| 控除額 | 対象市販薬購入額 − 12,000円 上限88,000円 |
医療費 − 保険金等 − 10万円 または所得の5% 上限200万円 |
| 家族分 | 生計を一にする家族分もOK | 生計を一にする家族分もOK |
| 併用 | 不可 | 不可 |
| 向く人 | 病院代は少ないが、市販薬代が多い人 | 通院・歯科・入院など医療費が大きい人 |
いちばん大事なのは「入口の低さ」
通常の医療費控除は、多くの人にとって10万円がひとつの壁です。
これに対し、セルフメディケーション税制は対象市販薬の購入額が12,000円超で検討できます。
そのため、病院代が少ない会社員家庭では、思った以上にセルフメディケーション税制の相性がよいケースがあります。
ただし、控除額の最大値は通常の医療費控除のほうが大きい
セルフメディケーション税制の控除上限は88,000円です。
大きな治療費、歯科治療、入院費などがある年は、通常の医療費控除のほうが有利になりやすいです。
対象市販薬の見分け方|レシートを見ればほぼ迷わない
「何が対象か分からない」が最大のつまずきです。ですが、実務ではシンプルです。
レシートに控除対象であることの表示があるか、これを最優先で見てください。
いちばん確実
レシート・領収書に「セルフメディケーション税制対象」等の表示があるか確認。
補助的な目印
一部商品はパッケージに識別マークが表示されています。
一覧で確認
厚生労働省が対象品目一覧を公表しています。
勘違い注意
サプリ、健康食品、マスク、体温計、湿布以外の雑貨などは基本的に対象外です。
対象になりやすいイメージ
- 風邪薬
- 解熱鎮痛薬
- 胃腸薬
- 花粉症薬
- 湿布・外用鎮痛消炎薬
- 水虫薬、口内炎薬などの一部医薬品
対象外と思っておいたほうが安全なもの
- サプリメント
- 健康食品
- 栄養ドリンク全般
- マスク・ばんそうこう・消毒用品などの日用品
- 美容目的の商品
判断に迷うときは、商品名でネット検索するより、購入レシートの表示を優先したほうがミスが少ないです。
必要書類|レシートだけでは終わらない
セルフメディケーション税制で見落としやすいのが、「レシート」と「一定の取組の証明」の2本立てだという点です。
| 書類 | 役割 | 実務ポイント |
|---|---|---|
| セルフメディケーション税制の明細書 | 申告書に添付する中心書類 | 対象市販薬の購入額などをまとめて記載 |
| 対象市販薬のレシート・領収書 | 購入内容の証拠 | 自宅で5年間保管。税務署から提示等を求められる場合あり |
| 一定の取組の証明書類 | 制度の適用要件の確認 | 健康診断結果通知表、予防接種済証、領収書など |
「一定の取組」の証明になるもの
国税庁が具体例として示しているのは、次のようなものです。
- インフルエンザ予防接種の領収書や予防接種済証
- 市区町村のがん検診の領収書や結果通知表
- 職場の定期健康診断の結果通知表
- 特定健康診査の領収書や結果通知表
- 人間ドックや各種健診の領収書や結果通知表
保管期間は5年
レシートも、一定の取組の証明書類も、自宅で5年間保管が必要です。
「提出しないなら捨てていい」は危険です。
通常の医療費控除で使える医療費集計フォームは、セルフメディケーション税制では使えません。
「いつもの医療費控除と同じ感覚で進めたら詰まる」人が多いポイントです。
1分で判定:セルフメディケーション税制と医療費控除、どっちが得?
ここでは、対象市販薬の年間購入額と通常の医療費、そして総所得金額等の目安から、どちらの控除額が大きいかをざっくり比較します。
あくまで概算ですが、家計判断にはかなり使えます。
判定結果
控除額の比較
※保険金等による補填はここでは加味していません。補填がある場合は、実際の控除額は下がります。
結論とアクション
※表示する節税額は所得税のみの概算です。住民税や個別事情は反映していません。
セルフメディケーション税制の控除額は、対象市販薬購入額 − 12,000円(上限88,000円)。
通常の医療費控除は、医療費 − 10万円、または所得200万円未満なら医療費 − 総所得の5%で考えます。
よくある3ケースで理解する
ケース1:病院代は少ないが、花粉症薬や風邪薬をよく買う家庭
年間の通常の医療費が4万円、対象市販薬が2.4万円なら、通常の医療費控除は届かないのに、セルフメディケーション税制は12,000円の控除額になります。
このタイプは、セルフメディケーション税制の典型的な勝ちパターンです。
ケース2:歯科治療や通院で年間12万円かかった家庭
こちらは、通常の医療費控除が有利になりやすいです。
対象市販薬の購入が2万円程度しかなくても、通院費込みで医療費が大きいなら、通常の医療費控除のほうが控除額が上回ることが多いです。
ケース3:病院代も市販薬代もそこそこある家庭
このパターンが最も迷います。
だからこそ、両方をいったん計算してから選ぶのが正解です。
ただし選んだ後に、後から修正申告や更正の請求で制度を切り替えることはできません。
最初に見る数字
対象市販薬12,000円超か、通常の医療費10万円超か。
見直す時期
年末にレシート合計を見直すと、申告漏れを防ぎやすいです。
スマホで確定申告する手順|セルフメディケーション税制の入力方法
令和7年分確定申告特集でも、スマホとマイナンバーカードでe-Taxが案内されています。
ここでは、セルフメディケーション税制をスマホで申告する流れを、実務目線で整理します。
マイナンバーカード
スマホでe-Taxするなら、まずこれが最優先です。
レシート集計
対象市販薬だけを合計。レシートは捨てずに保管。
一定の取組の証明
健康診断結果や予防接種の書類を準備。
源泉徴収票など
会社員なら源泉徴収票も手元に置いて進める。
入力の流れ
国税庁「確定申告書等作成コーナー」を開く
スマホからでも進められます。マイナンバーカード方式ならe-Tax送信まで完結しやすいです。
所得情報を入力する
会社員なら源泉徴収票の内容を入力。医療費控除の入力画面に進みます。
通常の医療費控除ではなく、セルフメディケーション税制を選ぶ
ここが分岐点です。選択適用なので、通常の医療費控除と両取りはできません。
対象市販薬の購入額を入力する
レシートを見ながら、対象薬の合計額を入力します。雑貨や対象外商品を混ぜないのがコツです。
一定の取組の有無を確認し、明細書ベースで整理する
一定の取組の証明書類は提出しなくても、5年間保管前提で手元に置いておきます。
内容確認後、e-Tax送信する
期限直前は混みやすいので、早めがおすすめです。
いちばん多いミス
- 対象外の商品まで合算してしまう
- 一定の取組の証明書類を残していない
- 医療費控除とセルフメディケーション税制を両方入力しようとする
- あとから切替できると思って深く考えずに選んでしまう
よくある勘違い5つ
「ドラッグストアで買った薬は全部対象」
違います。対象は一定のOTC医薬品だけです。レシート表示を確認してください。
「健康診断は家族の誰かが受けていればいい」
違います。申告する本人が一定の取組をしている必要があります。
「レシートは提出しないから捨てていい」
5年間保管が必要です。税務署から確認を求められることがあります。
「医療費控除と両方使えば最強」
使えません。選択適用です。
「あとから不利だと気づいたら切り替えればいい」
修正申告や更正の請求で選択変更はできません。提出前に比較が必要です。
FAQ(検索されやすい疑問だけ)
セルフメディケーション税制は、いくらから使えますか?
風邪薬や花粉症薬は対象になりますか?
健康診断を受けていないと使えませんか?
家族が買った薬も合算できますか?
必要書類は何ですか?
提出後に医療費控除へ変更できますか?
2026年確定申告の期限はいつですか?
- 国税庁:令和7年分 確定申告特集
- 国税庁:セルフメディケーション税制とは
- 国税庁:No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)
- 国税庁:No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との関係
- 国税庁:No.1134 取組を行ったことを明らかにする書類の具体例
- 国税庁:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- 厚生労働省:セルフメディケーション税制(対象品目一覧を含む)
まとめ:迷ったら「12,000円超・一定の取組・選択制」で覚える
セルフメディケーション税制は、一定の健康管理をしている人が、対象市販薬を年間で一定額以上買ったときに使える医療費控除の特例です。
実務では、対象市販薬が12,000円超か、通常の医療費が10万円超か、そしてどちらか一方しか選べない――この3点で判断すると大きくズレません。
- セルフメディケーション税制は対象市販薬12,000円超で検討
- 一定の取組をその年に行っている必要がある
- 対象はドラッグストアの商品全部ではなく対象OTC医薬品のみ
- レシートの控除対象表示が最重要
- 通常の医療費控除とは併用不可、後から切替も不可
- スマホ申告でも進められるが、証明書類は5年間保管


