【2027年】働きながら年金をもらう人は税金が増える?控除合計280万円ルールを解説

情報確認日:2026年8月27日

最初に確認する結論

2027年分の所得税から、 給与と公的年金等の両方を受け取る人について、 給与所得控除額+公的年金等控除額の合計が280万円を超えると、超過分だけ公的年金等控除が減る 仕組みが始まります。

ただし、 「給与+年金の収入が280万円を超えたら増税」という制度ではありません。 判定するのは収入額そのものではなく、 給与所得控除額と公的年金等控除額の合計 です。 給与だけ、または年金だけの人は、今回の280万円調整の対象ではありません。

適用開始 2027年分から 令和9年分以後の所得税
判定基準 控除合計280万円 給与+年金の収入合計ではない
超えたとき 年金控除を調整 年金支給額そのものが減る制度ではない

ここだけ読めば分かる要点

  • 280万円は「給与+年金の年収合計」ではありません。
  • 給与所得控除額+公的年金等控除額 が280万円を超えるかを確認します。
  • 超過した場合は 超えた分を公的年金等控除額から差し引きます。
  • 給与と公的年金等の両方がある人 が対象候補です。
  • 280万円ルールだけを見れば、該当者の 課税所得を増やす方向 に働きます。
  • 在職老齢年金の「月65万円基準」とは別制度です。
  • 280万円を超えたからといって、自動的に確定申告が必要になるわけではありません。
記事全体の目次を表示する
  1. 自分が対象か3ステップ診断
  2. 2027年から何が変わる?
  3. 280万円は収入額ではない
  4. 影響を受けやすさ診断
  5. 影響を受けやすい人
  6. 給与700・850・900万円の例
  7. 税金への影響
  8. 在職老齢年金との違い
  9. 所得金額調整控除との違い
  10. 源泉徴収票の確認
  11. 確定申告の判定
  12. 対象になる年金
  13. ○×で勘違い確認
  14. 2027年までにやること
  15. よくある質問

まず3ステップで「自分に関係ある?」を確認する

まず制度を全部理解する必要はありません。 給与と年金の両方があるか → 年齢・年金額 → 給与額 の順に確認すると、自分が詳しく調べるべきか判断しやすくなります。

2027年に受け取る収入はどれですか? 最初に「給与等」と「公的年金等」の両方があるか確認します。

280万円ルールの対象候補です

給与と公的年金等の両方がある人は確認が必要です。 ただし、両方あるだけで増税になるわけではありません。 次に控除額の合計を確認します。

今回の280万円調整は原則として対象外です

給与だけの場合は、 給与所得控除と公的年金等控除を合算する状況がない ため、今回の280万円調整は原則関係しません。

今回の280万円調整は原則として対象外です

年金だけの場合は、年齢・年金額などに応じた 通常の公的年金等控除 を確認します。

源泉徴収票が2種類あるか確認

勤務先の 「給与所得の源泉徴収票」 と、日本年金機構などの 「公的年金等の源泉徴収票」 の両方が届くなら、今回の制度を確認する価値があります。

年齢と年金額はどれに近いですか? 公的年金等控除額は年齢と年金額などで変わります。

公的年金等控除110万円が基本になる層です

公的年金等に係る雑所得以外の所得が1,000万円以下で、 65歳以上・公的年金等330万円以下なら、 通常の公的年金等控除は110万円 が基本です。

年金控除が110万円を超える場合があります

年金額が330万円を超えると控除計算が変わるため、 給与がそれほど高くなくても控除合計280万円を超える可能性があります。

65歳以上とは計算が異なります

65歳未満は公的年金等控除の計算区分が異なるため、 年金額を使って個別に判定 してください。

月の振込額ではなく年間額を見る

毎月の手取り年金だけでは判定できません。 公的年金等の源泉徴収票などで年間支払額を確認してください。

給与収入はどのくらいですか? 65歳以上・年金330万円以下の一般的なケースで考える簡易目安です。

年金330万円以下なら対象外になりやすい層です

ただし年金額が大きい場合などは公的年金等控除額も変わるため、 給与だけで対象外と断定はできません。

特に確認したいゾーンです

65歳以上・年金330万円以下の一般的なケースでは、 給与収入がおおむね630万円前後を超えるあたりから280万円調整が視野に入ります。 実際には給与所得控除額を正式に計算して判定してください。

280万円上限にかかる可能性が高まります

給与所得控除の上限は195万円です。 65歳以上・公的年金等控除110万円なら、 控除合計は305万円 となり、25万円超えます。

源泉徴収票の「支払金額」を見る

手取り額ではなく、給与所得の源泉徴収票の「支払金額」 を確認してください。

ここは簡易診断です

この診断だけで税額を確定しないでください。 給与額、年金額、年齢、その他の所得などにより正式な控除額は変わります。

2027年から何が変わる?2つの控除を合計280万円までに調整

給与を受け取る人には 給与所得控除、 公的年金等を受け取る人には 公的年金等控除 があります。

2027年分以後は、給与と公的年金等の両方を受ける人について、 2種類の控除額の合計が280万円を超える部分を、公的年金等控除から差し引く 調整が行われます。

1
給与所得控除額を計算

給与収入額に応じて計算します。

2
公的年金等控除額を計算

年齢、年金額などに応じて計算します。

3
2つの控除額を合算

280万円を超えるか確認します。

4
超過分を年金控除から差し引く

年金支給額そのものを減額する仕組みではありません。

給与所得控除額 + 公的年金等控除額

280万円を超える

超過額を公的年金等控除額から差し引く
改正前と2027年分以後を比較する
給与と公的年金等の控除の扱い
項目 2026年分まで 2027年分以後
給与所得控除 給与額に応じて計算 給与額に応じて計算
公的年金等控除 年齢・年金額等で計算 まず従来どおり計算
2つの控除合計 今回の280万円上限なし 280万円超を調整
超過した場合 超過額を公的年金等控除から減額

最も大事なポイント

減るのは「年金」ではなく「公的年金等控除」です。 老齢基礎年金や老齢厚生年金の支給額そのものを、 この280万円ルールで減らす制度ではありません。

「給与+年金が280万円」という意味ではない

この制度で最も注意したいのが、 280万円を「収入の壁」と誤解すること です。

×

間違った判定

給与200万円+年金100万円=300万円。

「280万円を超えたから対象」

この判定方法は誤りです。

正しい判定

給与所得控除額+公的年金等控除額を計算。

その控除額の合計が280万円を超えるか を見ます。

「280万円の壁」とだけ覚えると危険

103万円、130万円などの年収の壁とは仕組みが違います。 280万円は年収基準ではありません。

あなたの影響度を先に確認する

以下から最も近い状況を選ぶと、どこまで詳しく確認すべきか分かります。

自分の状況に一番近いものは? 簡易的な確認優先度を表示します。

今回の280万円調整は優先度低め

給与または年金の片方だけなら原則として今回の調整対象ではありません。

控除額を一度確認しておく

給与と公的年金等の両方があるなら、 年末に2種類の源泉徴収票をそろえて判定 するのがおすすめです。

2027年分では必ず確認したい層

給与所得控除が大きい人+公的年金等控除も使う人は、280万円超過の可能性が高まります。 特に給与850万円超などは注意してください。

どんな人が影響を受けやすい?

代表的なのは、 定年後も比較的高い給与で働きながら老齢年金も受け取っている人 です。

再雇用・継続雇用

65歳以降も勤務し、給与と老齢年金の両方を受け取る人。

会社役員

役員報酬など給与収入が比較的高く、年金も受給する人。

企業年金等もある

税法上の公的年金等に該当する年金収入が複数ある人。

公的年金等の額が高い

公的年金等控除が110万円を超えるケースでは、給与額が低めでも注意が必要です。

高齢者全員への一律増税ではありません

給与がない人、年金がない人、控除合計が280万円以下の人 には、この280万円調整は適用されません。

給与700万円・850万円・900万円+年金200万円ならどうなる?

ここでは分かりやすく、 65歳以上・公的年金等200万円・公的年金等に係る雑所得以外の所得1,000万円以下 のケースで比較します。

自分の給与に近いものを選択 公的年金等200万円の例です。

控除合計290万円 → 10万円を調整

給与所得控除180万円+公的年金等控除110万円=290万円。 280万円を10万円超える ため、公的年金等控除は 110万円→100万円 となる計算です。

控除合計305万円 → 25万円を調整

給与所得控除195万円+公的年金等控除110万円=305万円。 25万円超過するため、公的年金等控除は110万円→85万円 となる計算です。

給与所得控除は上限195万円

給与900万円でも給与所得控除は195万円。 年金200万円なら控除合計305万円となり、 公的年金等控除は85万円 となる計算です。

3ケースの比較表を表示する
65歳以上・公的年金等200万円の簡易例
給与 給与所得控除 通常の年金控除 合計 超過 調整後年金控除
700万円 180万円 110万円 290万円 10万円 100万円
850万円 195万円 110万円 305万円 25万円 85万円
900万円 195万円 110万円 305万円 25万円 85万円
給与850万円の場合
195万円 + 110万円 = 305万円

305万円 − 280万円 = 25万円超過

110万円 − 25万円 = 年金控除85万円

25万円は税額ではありません

「25万円控除が減る=税金が25万円増える」ではありません。 25万円は所得計算上の控除が減る金額です。

結局、税金は増える?

280万円を超えた分だけ公的年金等控除が減るため、 このルール単体では課税所得を増やす方向 に働きます。

調整前

年金200万円 − 年金控除110万円 = 雑所得90万円

25万円調整後

年金200万円 − 年金控除85万円 = 雑所得115万円

この例では、公的年金等に係る雑所得が 90万円から115万円へ25万円増える ことになります。

2027年の税額は280万円ルールだけでは決まらない

実際の所得税は、 基礎控除、社会保険料控除、扶養、配偶者、医療費控除など も含めて決まります。

在職老齢年金の「65万円」と280万円ルールは別物

働きながら年金をもらう人には複数の数字が出てくるため、特に混同しやすい部分です。

65万円ルールと280万円ルールの違い
項目 在職老齢年金 280万円ルール
何の制度? 年金の支給停止調整 所得税の所得計算
主な数字 月65万円基準 控除合計280万円
何が減る? 条件により老齢厚生年金 公的年金等控除額
年金本体 条件により一部停止あり このルールでは減らない

覚え方

65万円 → 年金が支給停止されるか
280万円 → 税金計算の控除が調整されるか

所得金額調整控除とも別制度

給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方がある人には、 以前から 所得金額調整控除 という別の制度があります。

280万円調整と最大10万円調整を混同しない

「280万円を超えたから10万円引ける」という仕組みではありません。 それぞれ別制度として確認してください。

所得金額調整控除の基本的な考え方を見る
給与所得控除後の給与所得(最大10万円)
+ 公的年金等に係る雑所得(最大10万円)
− 10万円
= 所得金額調整控除額

2027年分の最終的な計算は、その年の国税庁の確定申告案内を優先してください。

何を見れば自分の金額が分かる?

手取り額だけでは280万円判定はできません。 基本的には給与と年金の年間額を確認できる書類を使います。

今、どの書類がありますか? 選ぶと最初に見る場所が表示されます。

「支払金額」を確認

給与所得の源泉徴収票の「支払金額」 を確認してください。

公的年金等の年間支払額を確認

月の振込額ではなく、 公的年金等の源泉徴収票に記載された年間支払額 を確認します。

280万円判定の準備ができます

2種類の支払金額から給与所得控除額と公的年金等控除額を計算し、 控除額合計が280万円を超えるか を確認します。

年末にそろえる書類チェック 確認できたものをクリックしてください。

280万円を超えたら確定申告は必須?

280万円を超えたこと自体が、新しい確定申告義務の基準になるわけではありません。

確定申告が必要かどうかは、給与所得者の申告基準や年金受給者の申告不要制度など、 別のルール で判断します。

現在の立場に近いものは? 確定申告で最初に見るポイントを表示します。

給与以外の所得を確認

一般的な給与所得者では、 給与・退職所得以外の所得が20万円を超える場合 などに確定申告が必要になることがあります。

400万円・20万円ルールを確認

公的年金等の収入が400万円以下など一定条件を満たす場合、 確定申告不要制度 を利用できるケースがあります。

2027年分は申告判定まで確認したい

給与と年金の両方が大きい人は、280万円調整だけでなく申告義務も別途確認してください。

「公的年金等」に含まれるもの・含まれないもの

税法上の 「公的年金等」は、国民年金・厚生年金だけではありません。

公的年金等に含まれる主なものを見る
  • 国民年金法に基づく年金
  • 厚生年金保険法に基づく年金
  • 共済制度に基づく年金
  • 一定の確定給付企業年金
  • 確定拠出年金を年金として受け取る一定のケース
  • その他、税法上「公的年金等」に該当するもの

個人年金保険は別扱いの場合があります

名前に「年金」と付いているものを全部280万円判定へ足すわけではありません。 生命保険会社の個人年金などは公的年金等に該当しない場合があります。

○×でよくある勘違いを確認する

回答をクリックすると、すぐに正しい考え方が表示されます。

給与+年金の収入が280万円を超えたら対象になる。○か×か?

正解は×です。280万円は収入合計ではなく、給与所得控除額+公的年金等控除額の合計です。
正解です。最重要ポイントは「280万円=年収の壁ではない」ことです。

280万円を超えると、その分だけ年金支給額が減る。○か×か?

正解は×です。減るのは公的年金等控除額です。
正解です。在職老齢年金とは別制度です。

公的年金等控除が25万円減ると、所得税も25万円増える。○か×か?

正解は×です。25万円は控除減少額であり、税額そのものではありません。
正解です。実際の所得税額は課税所得と税率、各種控除などで決まります。

280万円を超えたら全員、確定申告が必須になる。○か×か?

正解は×です。申告義務は給与所得者・年金受給者それぞれの別ルールで判定します。
正解です。280万円超過と確定申告義務は別の話です。

2026年の今から何をすればいい?

現時点で、280万円ルールのためだけに急いで税務署へ届け出る必要はありません。

重要なのは、 2027年の給与と公的年金等の年間額を把握できる状態にしておくこと です。

1
2027年も働くか確認

給与と公的年金等の両方があるかを確認します。

2
年間給与・年間年金を把握

月額ではなく年間額で考えます。

3
2027年末に源泉徴収票を2種類そろえる

給与と公的年金等の源泉徴収票を保管します。

4
2028年の確定申告時に最終確認

2027年分の国税庁の計算結果を優先します。

?
今、一番知りたいことは? 選択すると次に確認すべき場所が分かります。

「控除減額」と「税額増」を分けて考える

まず280万円超過額を確認し、その後に 基礎控除・社会保険料控除などを含めて所得税を計算 します。

280万円ルールで年金本体が減るわけではありません

年金の支給停止が気になる場合は、 在職老齢年金の65万円基準 を別に確認してください。

申告義務は別判定

給与所得者の20万円基準や年金受給者の400万円・20万円ルールなどを確認します。

給与・年金の源泉徴収票をそろえる

給与所得の源泉徴収票+公的年金等の源泉徴収票 の2つを基本に確認します。

自分用チェックリスト 当てはまるものをクリックしてください。

給与+年金280万円ルールでよくある質問

給与と年金の合計が280万円を超えたら税金が増えますか?

いいえ。 280万円は給与と年金の収入合計ではありません。 給与所得控除額と公的年金等控除額の合計を見ます。

いつから始まりますか?

2027年分以後の所得税 に適用されます。

働く年金受給者は全員対象ですか?

いいえ。 給与所得控除額+公的年金等控除額が280万円以下なら今回の調整はありません。

280万円を超えたら年金が減りますか?

この制度で直接減るのは公的年金等控除額です。 年金本体の支給停止制度とは別です。

給与850万円・年金200万円ならどうなりますか?

記事内の前提条件では、 給与所得控除195万円+公的年金等控除110万円=305万円となり、 25万円超過します。 そのため 公的年金等控除は85万円 となる計算です。

税金が25万円増えるのですか?

いいえ。 25万円は控除が減る金額であり、税額ではありません。

確定申告は必ず必要ですか?

280万円を超えただけで一律に確定申告義務が生じるわけではありません。 申告要否は別基準で判定 します。

個人年金保険も判定に入りますか?

生命保険契約などによる個人年金は、 税法上の「公的年金等」に該当しない場合があります。

最後に重要ポイントを整理

最終結論

2027年からの280万円ルールは「給与+年金の年収280万円の壁」ではありません。

正しくは、 給与所得控除額+公的年金等控除額が280万円を超えた場合 に、 超過分だけ公的年金等控除を減らす所得税の調整 です。

給与と年金の両方を受け取る人は、2027年末に2種類の源泉徴収票をそろえて確認する と覚えておけば十分です。

  • 2027年分以後の所得税から適用
  • 給与+公的年金等の両方がある人が対象候補
  • 280万円は収入額ではなく控除額の合計
  • 超過分は公的年金等控除から調整
  • 年金そのものが減る制度ではない
  • 在職老齢年金65万円基準とは別制度
  • 確定申告要否も別に判定する

参考資料・一次情報

確認した公式資料を表示する

公開後の更新ポイント

2027年分の国税庁「確定申告の手引き」「確定申告書等作成コーナー」が公開されたら、 280万円調整の入力位置、源泉徴収票の入力方法、所得金額調整控除との具体的な計算順 を再確認してください。

個別の税額について

本記事は2026年8月27日時点の公開情報をもとに一般的な仕組みを整理しています。 実際の所得税額は給与、公的年金等、その他所得、扶養、社会保険料、各種控除などによって異なります。 最終的には最新の国税庁情報や税務署、税理士等へ確認してください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA