年金の「第3号被保険者」って何?
会社員の扶養に入る人の条件を図解
「扶養」「130万円」「社会保険」「国民年金」がごちゃごちゃになった人向け。
文字を減らして、表・図・比較カード中心で、完全初心者にも一瞥でわかる形に整理しました。
この記事で分かること
- 第3号被保険者とは誰か
- 税金の扶養と社会保険の扶養の違い
- 年収130万円・週20時間・学生除外などの条件
- 外れたときに何が起きるか、何をすればいいか
結論だけ先に
第3号被保険者とは、会社員・公務員など第2号被保険者に扶養されている配偶者で、
20歳以上60歳未満の人です。
ざっくり言うと、自分で国民年金保険料を払わなくても、年金の加入期間に入る仕組みです。
ただし、年収130万円未満の目安や、自分が勤務先の社会保険に入るかどうかで扱いが変わります。
3秒判定表
まずは「自分が第3号になれそうか」だけ確認してください。
| チェック項目 | 第3号になりやすい | 第3号になりにくい |
|---|---|---|
| 年齢 | 20歳以上60歳未満 | 20歳未満 / 60歳以上 |
| 続柄 | 配偶者 | 親・子・兄弟など |
| 相手 | 会社員・公務員など | 自営業・無職など |
| 年収目安 | 130万円未満 | 130万円以上見込み |
| 自分の働き方 | 扶養内 | 自分の勤務先の社会保険に加入 |
| 勤務時間 | 短い | 週20時間以上で加入対象になりやすい |
- 一番の落とし穴:「税金の扶養」と「社会保険の扶養」は別です。
- また、2026年10月には短時間労働者の賃金要件(いわゆる106万円要件)が撤廃予定で、今後は週20時間以上を意識する場面が増えます。
まずはここだけ:3つの扶養の違い
| 名前 | 何が変わる? | よく出る目安 | 主な窓口 |
|---|---|---|---|
| 税金の扶養 | 所得税・住民税 | 103万円、配偶者は別計算あり | 会社・税務 |
| 健康保険の扶養 | 保険証・医療保険 | 130万円未満が目安 | 健康保険 |
| 第3号被保険者 | 国民年金 | 20〜59歳・配偶者・扶養 | 年金・会社 |
- この記事の主役は「第3号被保険者」です。
- でも実務では、健康保険の扶養と一緒に動くことが多いので、まとめて理解すると迷いません。
第3号になれる人・なれない人
-
配偶者が会社員・公務員
相手が厚生年金に入っていることが前提です。
-
20歳以上60歳未満
国民年金の第3号はこの年齢帯が対象です。
-
年収130万円未満の目安
一般に扶養認定の目安として使われます。
-
自分が社会保険に加入
自分が第2号になると、第3号ではなくなります。
-
配偶者が自営業
相手が第2号被保険者でないので、第3号にはなれません。
-
130万円以上見込み
扶養から外れる可能性が高くなります。
配偶者だけが対象
親や子が扶養してくれても、第3号にはなりません。
60歳になると扱いが変わる
第3号は60歳未満が前提です。年齢到達で切り替えが必要な場合があります。
勤務先の加入条件に注意
自分が勤務先の社会保険に入ると、第3号は終了です。
自分で国民年金を払わない
これが第3号の大きな特徴です。
どれくらいお得?ざっくり見える化
第3号の一番大きなポイントは、国民年金保険料を自分で払わなくても加入期間になることです。
先に結論
第3号の期間中は、自分で国民年金保険料を納めない一方で、 年金の「加入していた期間」として扱われるのが大きな特徴です。
支払い負担のイメージ
つまずきやすさ
- 「お得だからずっと第3号が正解」とは限りません。
- 将来の働き方、手取り、厚生年金の有無まで含めて考える必要があります。
第3号のまま vs 自分で社会保険に入る
第3号のまま
保険料を自分で払わない
家計の目先の負担は軽く見えやすいです。
扶養条件を気にする必要あり
130万円・勤務条件・見込み収入を意識することになります。
自分の厚生年金は増えない
老後の厚生年金を自分で積み上げる形ではありません。
自分で社会保険に加入
手取りは減りやすい
保険料負担が発生するため、短期では痛く感じやすいです。
将来の厚生年金にプラス
第2号として自分の年金を積み上げていけます。
扶養条件を気にしにくい
働き方の自由度は上がることがあります。
外れるのはこんな時
第3号でいちばん大事なのは、「外れるタイミング」を知っておくことです。
| 外れやすい場面 | 何が起きる? | 次の行動 |
|---|---|---|
| 年収130万円以上見込み | 扶養から外れる可能性 | 会社・健康保険へ確認 |
| 自分の勤務先の社保に加入 | 第2号になる | 勤務先で手続き |
| 配偶者が退職 | 前提が崩れる | 第1号への切替確認 |
| 離婚・別居など | 被扶養条件喪失の可能性 | すぐ届出確認 |
| 60歳到達 | 第3号の対象外 | 年齢到達後の扱い確認 |
| 配偶者が65歳到達 | 切替が必要な場合あり | 年金機構の案内確認 |
- 届出が遅れると、あとで追納や切替が必要になることがあります。
- 「会社がやってくれるはず」で放置しないのが大事です。
2026年以降に何が難しくなる?
週20時間
今後は「106万円」より、働く時間の方が重要になりやすいです。
企業規模要件
段階的に縮小・撤廃予定で、より多くの人が加入対象になります。
学生除外
短時間労働者の加入では、学生かどうかも判断材料になります。
- 今まで「106万円を超えないように」で考えていた人も、今後はそれだけでは足りません。
- 契約時間・勤務先規模・学生かどうかをセットで見る必要があります。
8段階で理解する【つまずき救済】
必要なレベルだけ読めます。まずは30秒版だけでも大丈夫です。
30秒版(超要点)
第3号被保険者は、会社員・公務員などに扶養される配偶者で、
20歳以上60歳未満の人です。
ざっくり、自分で国民年金保険料を払わなくても加入期間になる仕組みです。
ただし、年収130万円未満の目安や、自分が勤務先の社会保険に入るかで外れます。
はじめて版:まず「3つの人」を知る
年金には、大きく第1号・第2号・第3号があります。
自営業や学生は第1号、会社員・公務員は第2号、そして第2号の扶養に入る配偶者が第3号です。
小学生でもわかる版:家族の中でどう違う?
-
家族の中の「扶養される配偶者」
会社員の配偶者で、条件を満たす人です。
-
自分で年金保険料を払わない
でも年金の加入期間には入ります。
-
親に養ってもらう
これは第3号ではありません。
-
税金の扶養と同じ
税金と年金は別ルールです。
中学生版:条件はこの4つで見る
| 条件 | ポイント | つまずきやすい所 |
|---|---|---|
| 年齢 | 20歳以上60歳未満 | 60歳を超えると対象外 |
| 続柄 | 配偶者のみ | 親・子は対象外 |
| 相手 | 第2号被保険者 | 自営業配偶者は対象外 |
| 扶養 | 年収130万円未満が目安 | 税金の壁と混同しやすい |
高校生版:130万円と106万円は何が違う?
第3号で混乱しやすいのは、130万円と106万円が別の話だという点です。
130万円
扶養認定の目安としてよく使われます。第3号や健康保険の扶養で重要です。
106万円
短時間労働者の社会保険加入で話題だった賃金要件です。2026年10月に撤廃予定です。
同じ数字の話ではない
130万円だけ見ても不十分。働く時間や勤務先条件も見ます。
今後は週20時間が重要
今後の実務では、時間条件を先に確認する方がわかりやすいです。
大学生版:第3号のメリット・弱点
メリット
目先の保険料負担がない
家計にはわかりやすい利点です。
加入期間になる
年金の未納とは違います。
弱点
働き方を抑えやすい
扶養条件を気にして収入や時間を止める人が多いです。
自分の厚生年金は増えない
将来の年金額の考え方は別になります。
社会人実務版:迷ったらこの順番で確認
まず見る順番
① 配偶者は第2号か → ② 自分は20〜59歳か → ③ 年収130万円未満見込みか → ④ 自分の勤務先の社保に入る条件か
- 配偶者の働き方:会社員・公務員か
- 自分の年齢:20歳以上60歳未満か
- 収入見込み:130万円未満か
- 勤務時間:週20時間以上か
- 勤務先条件:社会保険加入対象か
- 外れた後の手続き:第1号 / 第2号への切替が必要か
専門家版:制度の細かい注意点
130万円は「一般に」使われる目安
実務では年間収入の見込みや同一世帯・援助関係なども見られます。
被扶養認定と第3号届は連動しやすい
健康保険の被扶養者の認定と、国民年金第3号の届出は実務上セットで動くことが多いです。
配偶者が65歳になる時も注意
配偶者の年齢到達で、第3号から第1号への切替が必要になる場合があります。
今後は適用拡大で判定が変わりやすい
106万円要件撤廃、企業規模要件の縮小・撤廃で、従来の「扶養内」戦略が変わる可能性があります。
読者タイプ別の見方
専業主婦・主夫
- 第3号の基本形です
- 配偶者の働き方が前提になります
- 離婚・退職・60歳で切替に注意
パートで働く人
- 130万円だけでなく週20時間も要確認
- 自分の社保加入で第3号終了
- 2026年以降は特に判定が複雑
学生アルバイト
- 第3号は「配偶者」が前提
- 学生除外は短時間労働者の加入判定で重要
- 親の扶養と混同しやすいです
転職・退職がある家庭
- 配偶者退職で前提が崩れます
- 切替手続きを放置しないこと
- 会社任せにせず確認が必要です
よくある質問
Q. 第3号被保険者って、結局だれのこと?
会社員・公務員など厚生年金に加入している人に扶養されている、20歳以上60歳未満の配偶者です。
Q. 親の扶養でも第3号になりますか?
なりません。第3号は配偶者に扶養される人が対象です。
Q. 年収130万円を超えたら即アウトですか?
一般に130万円未満が目安ですが、実務では「見込み収入」や扶養認定の条件で判断されます。会社や保険者への確認が必要です。
Q. 106万円の壁と第3号は同じ話ですか?
同じではありません。106万円は短時間労働者の社会保険加入で話題になった賃金要件で、第3号は配偶者扶養の年金制度です。
Q. 週20時間働くとどうなりますか?
自分の勤務先の社会保険加入対象になる可能性が高まります。そうなると第3号ではなく、自分が第2号になる流れです。
Q. 外れた時は何をすればいいですか?
状況によって第1号へ切り替えるか、自分の勤務先で第2号として加入するかが決まります。放置せず、勤務先・年金・健康保険へ確認してください。
まとめ
- 第3号被保険者は、会社員・公務員などに扶養される20歳以上60歳未満の配偶者
- 大きな特徴は、自分で国民年金保険料を払わなくても加入期間になること
- ただし、130万円未満の目安、自分の社保加入、週20時間などで外れることがある
- 「税金の扶養」「健康保険の扶養」「第3号」は全部別
- 迷ったら、配偶者は第2号か → 自分は20〜59歳か → 130万円未満見込みか → 自分の社保加入条件かの順で確認
参考にした公式・公的情報
- 日本年金機構「第3号被保険者」
https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/tagyo/dai3hihokensha.html - 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-01.files/03.pdf - 厚生労働省「年金社会保険の加入対象の拡大について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html - 厚生労働省「短時間労働者の社会保険加入拡大のポイント」
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf - 日本年金機構「第3号被保険者の配偶者が65歳になったときの手続き」
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20150119.html - 日本年金機構「被扶養者に異動があったときの手続き」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html


