相続した「いらない土地」は国に返せる?相続土地国庫帰属制度の条件・対象外・費用【2026年】

情報確認日:2026年8月26日

最初に確認する結論

相続した使い道のない土地は、一定の条件を満たせば 「相続土地国庫帰属制度」で国に引き渡せます。 ただし、 どんな土地でも国が受け取ってくれる制度ではありません。

法務省が2026年8月21日に公表した最新速報では、 2026年7月31日までに 5,863件の申請 があり、 3,008件が実際に国庫へ帰属 しています。 一方で、建物・境界・通路・管理を妨げる工作物・整備が必要な森林などを理由に、 却下や不承認となったケースもあります。

申請件数 5,863件 2026年7月31日時点・速報値
国庫帰属 3,008件 宅地・農用地・森林など
取下げ 1,102件 うち571件は別の有効活用の見込み

ここだけ読めば分かる要点

  • 対象は原則、 相続や相続人への遺贈で取得した土地 です
  • 自分で購入しただけの土地を自由に国へ返す制度ではありません
  • 共有地は原則として 共有者全員で共同申請 します
  • 建物・抵当権・境界争い・現に使われている通路などは 大きなチェックポイント です
  • 申請時は 1筆14,000円 の審査手数料が必要です
  • 承認後は原則として 20万円の負担金 が必要です
  • 却下・不承認・取下げでも審査手数料は原則返還されません
  • 3,008件÷5,863件を 「成功率」と考えるのは不適切 です
記事全体の目次を表示する
  1. まず自分が制度対象か確認
  2. 最新統計|国庫帰属3,008件
  3. 相続土地国庫帰属制度とは
  4. 申請前チェック
  5. 対象外になりやすい土地
  6. 境界が分からない場合
  7. 手数料・負担金
  8. 国へ返す以外の出口
  9. 申請の流れ
  10. ケース別対応
  11. 相続放棄との違い
  12. 今の段階から次の行動を確認
  13. 法務局への相談
  14. よくある質問

最初にクリック|あなたの土地は制度対象になりそう?

最初に 「その土地をどうやって取得したか」 を確認してください。 ここが制度利用の入口です。

土地をどのように取得しましたか? 最も近いものをクリックしてください。

制度対象になり得ます

相続で取得した土地は、 相続土地国庫帰属制度の基本的な対象 です。

次に建物・抵当権・境界・共有者などを確認してください。

相続人への遺贈なら対象になり得ます

相続人が遺贈によって取得した土地も対象になり得ます。 取得経緯を示す資料を確認してください。

売買で取得しただけなら原則対象外

自分で購入した土地を「不要だから国へ返す」ための制度ではありません。

売却・寄附・隣地所有者への譲渡など、別の出口を検討します。

登記事項証明書・戸籍から確認

親名義の土地を相続したのか、 売買や贈与で取得したのかによって扱いが変わります。 登記情報と取得経緯を整理しましょう。

2026年最新|国庫帰属は3,008件、申請は5,863件

法務省が公表している2026年7月31日時点の速報値を見ると、 制度が実際に利用されていることが分かります。

法務省公表・2026年7月31日時点の速報値
項目 件数 見るポイント
申請 5,863件 田・畑2,278件、宅地2,040件、山林893件、その他652件
国庫帰属 3,008件 宅地1,115件、農用地964件、森林199件、その他730件
却下 85件 境界、通路、申請権限、添付書類など
不承認 96件 工作物、危険な崖、整備が必要な森林など
取下げ 1,102件 571件は別の有効活用の見込みが発生

「成功率約51%」とは判断しない

3,008件÷5,863件を「成功率」「承認率」と表現するのは適切ではありません。

申請件数には審査中案件や途中で取下げた案件も含まれるためです。

取下げ1,102件の中身が重要

取下げ1,102件のうち、 571件は別の有効活用の見込みが生じたケース です。

  • 自治体や国の機関が活用することになった
  • 隣接土地の所有者が引き取ることになった
  • 農業委員会などの調整で活用先が見つかった

「国に返す」以外の出口もある

隣の土地の所有者へ相談するだけで解決する可能性もあります。 国庫帰属を申し込む前に確認しておく価値があります。

相続土地国庫帰属制度とは?国が土地を買ってくれる制度ではない

相続土地国庫帰属制度は、 相続などで取得した土地を一定の要件のもとで 国庫へ帰属させる制度 です。

2023年4月27日に開始されました。

相続土地が中心

制度開始前に相続した古い土地でも対象になり得ます。

買い取りではない

国から土地代を受け取れる制度ではありません。 むしろ申請手数料・負担金が必要です。

審査がある

国が管理するために過大な費用や労力が必要な土地は、 不承認になる可能性があります。

土地単位で検討できる

相続放棄のように相続財産全体を手放す制度とは異なります。

あなたの土地で一番気になる問題をクリック

現在の土地の状況から、 最初に何を確認すべきか を絞り込みます。

一番近い状態はどれですか? クリックすると優先対応が表示されます。

建物がある土地はそのまま申請できません

建物が存在する土地は却下要件です。

ただし、国庫帰属のためだけに先に解体するのはおすすめできません。 売却・空き家特例・解体費・他の承認要件まで確認してから判断します。

確定測量が必須とは限りません

現地で境界を示せることと、隣人との争いがないこと が重要です。

まず法務局へ相談し、 必要なら土地家屋調査士への相談を検討します。

原則として共有者全員で共同申請

自分の持分だけを一人で国へ返す制度ではありません。

まず共有者全員の意思確認を行います。

次に抵当権・通路・境界・地上物を確認

見た目に問題がなくても、 登記上の権利や通路利用などが問題になる場合があります。

詳細チェック|該当するものをクリック

1つでもチェックが付いた場合は、申請前に法務局へ相談してください。

問題を解消するために解体・測量・森林整備などへ費用をかけても、 国庫帰属が保証されるわけではありません。

最新統計から分かる「対象外になりやすい土地」

法律上は 「却下」「不承認」 が分かれています。

却下になった主な理由を見る
2026年7月31日時点の主な却下理由
理由 件数 確認ポイント
添付書類不足 37件 申請書・図面・写真等
境界が明らかでない 23件 現地で境界を示せるか
現に通路として使用 22件 生活道路・私道利用
申請権限がない 10件 取得経緯・共有関係
建物が存在 4件 空き家・倉庫も確認

※1件に複数理由がある場合があるため、理由別件数の合計と却下件数は一致しません。

不承認になった主な理由を見る
2026年7月31日時点の主な不承認理由
理由 件数 見るポイント
工作物・車両・樹木など 46件 国の管理を妨げる地上物
追加整備が必要な森林 37件 間伐・造林・保育の状態
災害防止措置が必要 11件 土砂崩落等
金銭債務が生じる土地 10件 土地改良事業等
危険な崖 7件 管理費・安全対策

「売れない土地ほど国が引き取ってくれる」は誤解

一般の買い手が付きにくい理由が、 境界トラブル・崖・管理困難な森林・工作物など にある場合、 その問題がそのまま国庫帰属の障害になる可能性があります。

境界が分からない土地は?確定測量が必須とは限らない

古い相続土地で多いのが 「どこまでが親の土地なのか分からない」という問題です。

大切なのは、 現地で申請者が認識する境界を示せること と、 隣接土地の所有者と境界について争いがないこと です。

確定測量は必須添付ではない

法務省Q&Aでは、 測量成果や境界確定書の提出は 必須添付書面ではない とされています。

隣人との争いがあるなら要注意

隣地所有者から境界について異議が出た場合、却下対象になり得ます。

自分で確認できない場合は、 土地家屋調査士への相談も検討してください。

いくらかかる?申請手数料14,000円+承認後の負担金

費用は大きく 申請時承認後 の2段階です。

申請時 1筆14,000円 原則返還なし
承認後 原則20万円 10年分の管理費相当額
負担金期限 30日以内 通知到達翌日から

14,000円は「1申請」ではなく「1筆」

土地が5筆なら 審査手数料だけで70,000円 です。

しかも 取下げ・却下・不承認でも原則返還されません。

あなたの土地はどれですか? 負担金の考え方を切り替えられます。

宅地は原則20万円

ただし、市街化区域や用途地域が指定されている地域の一部では、 面積に応じた負担金になります。

法務省の例では、 100㎡で約55万円、200㎡で約80万円 です。

田・畑は原則20万円

一部の農用地区域等では面積に応じて算定されます。

法務省の例では 500㎡で約72万円、1,000㎡で約110万円 です。

森林は面積に応じて計算

法務省の例では 1,500㎡で約27万円、3,000㎡で約30万円 です。

ただし森林は、 間伐・造林など追加整備が必要な状態だと不承認になる可能性 があります。

原野・雑種地等は原則20万円

ただし、地上物・崖・埋設物などがある場合は、 承認要件を別途確認します。

承認後も30日以内に払わなければ所有権は移らない

負担金を期限内に納付しなければ承認は失効します。

再び制度を利用する場合は、 原則として改めて申請からやり直します。

国に返す前にクリック|他の手放し方はない?

実際には、 国庫帰属より安く・早く手放せる方法 が見つかることがあります。

これまで何を試しましたか? 次に検討する出口を表示します。

次は売却・自治体等の活用可能性を確認

隣人が不要でも、 農地や森林などでは別の利用先が見つかる可能性があります。

売れなかった理由を確認

「なぜ売れなかったのか」が国庫帰属でも重要です。

境界・崖・接道・管理困難などが理由なら、 国庫帰属でも問題になる可能性があります。

条件を整理して法務局相談へ

他の活用先がないことが分かっているなら、 登記・現況資料をそろえて国庫帰属の相談へ進みます。

まず隣地所有者へ確認する価値があります

取下げ1,102件のうち571件は、別の有効活用の見込みが生じたケースです。

国庫帰属の手数料を払う前に、 隣地・自治体・農地等の活用先を確認してみましょう。

隣地所有者

単独では使いにくい土地でも、 隣地と一体なら価値が出ることがあります。

民間売却・譲渡

低価格でも買い手が見つかれば、 国庫帰属の負担金を払わずに済む可能性があります。

自治体等

公共利用の可能性がある土地なら、 自治体が関心を示すケースもあります。

農地・森林の別制度

農地中間管理機構など、 土地種類別の仕組みが使える場合があります。

申請から国に土地が移るまでの7ステップ

  1. 登記・固定資産税資料を確認

    地番・地目・面積・所有者・抵当権などを整理します。

  2. 現地を確認する

    建物・崖・境界・通路・廃棄物・工作物などを確認します。

  3. 法務局へ事前相談

    高額な解体や測量をする前に相談するのが重要 です。

  4. 申請書・添付書類を準備

    土地範囲を示す図面・写真などをそろえます。

  5. 1筆14,000円を納付して申請

    窓口または郵送で提出します。

  6. 書面審査・実地調査

    標準処理期間は8か月とされていますが、 状況により長くなる場合があります。

  7. 承認後30日以内に負担金を納付

    負担金を納付した時点で所有権が国へ移ります。

土地確認 → 法務局相談 → 申請 → 審査 → 承認 → 負担金 → 国庫帰属

申請しただけでは管理責任はなくならない

負担金を納付して国庫帰属するまでは土地の所有者は申請者です。

審査中も必要な管理を続ける必要があります。

ケース別|自分に近いものをクリック

空き家が建っている

建物がある土地はそのまま申請できません。

ただし、すぐに解体するのではなく、 売却・空き家3,000万円控除・解体費・その他の承認要件を比較してください。

山林を相続したが場所もよく分からない

山林も制度対象になり得ます。 ただし、 境界と森林の管理状態 が重要です。

間伐・造林など追加整備が必要な森林は、 不承認になる可能性があります。

兄弟で共有している

共有地は原則として 共有者全員で共同申請 します。

抵当権は返済済みだが登記が残っている

実際の借金を返済済みでも、 抵当権登記が残ったままでは申請できません。

抵当権抹消手続きを確認します。

相続登記をまだしていない

相続等で取得したことを証明できれば、 相続登記未了でも申請自体は可能 とされています。

ただし、相続登記義務とは別問題なので、 法務局へ合わせて確認してください。

境界標が見つからない

境界標がないだけで即対象外ではありません。

現地で境界を示せることと、 隣地所有者との争いがないこと が重要です。

相続放棄との違い|「土地だけいらない」場合は別制度

相続土地国庫帰属制度と相続放棄を比較
比較 国庫帰属制度 相続放棄
手放すもの 条件を満たす土地 相続人としての権利・義務全体
窓口 法務局 家庭裁判所
土地条件 詳細な審査あり 土地だけ選ぶ制度ではない
費用 手数料+負担金 別の申立手続

借金がある場合は特に注意

借金・保証債務など相続財産全体に問題がある場合、 「土地だけ国に返せば大丈夫」と考えないでください。

相続放棄には期限があるため、 必要に応じて家庭裁判所や専門家へ早めに確認します。

今どこまで進んでいる?クリックで次にやることを確認

現在の状況に最も近いものは? 次の一手だけ表示します。

今日やることは3つだけ

  1. 固定資産税通知書を探す
  2. 登記情報を確認する
  3. 土地の現地写真を撮る

その後、 法務局へ事前相談 します。

問題点と追加資料を整理

法務局から指摘された 建物・境界・権利・図面・写真などを整理します。

高額な工事は承認可能性を確認してから 検討しましょう。

1筆数と手数料を最後に確認

1筆14,000円は返還されないことを確認 してから申請します。

負担金の期限を最優先で確認

通知到達の翌日から30日以内 に負担金を納付します。

納付した時点で国庫帰属となります。

申請前に法務局へ相談|電話・対面・ウェブに対応

14,000円の手数料を払う前に相談する のが安全です。

相談先の基本

  • 土地所在都道府県の法務局・地方法務局の本局
  • 支局・出張所では国庫帰属相談を受け付けていません
  • 対面・電話・ウェブ相談が可能
  • 原則として事前予約制
  • 家族・親族が相談できる場合もあります
相談前に用意するものを見る
  • 登記事項証明書
  • 公図・地図の写し
  • 土地全体の写真
  • 境界付近の写真
  • 固定資産税納税通知書
  • 測量図があればその図面
  • 共有者が分かる資料
  • 相続経緯が分かる資料
法務局でそのまま読める質問例

法務局相談メモ

相談日
 
法務局
 
担当部署
 
対象土地
 
問題点
 
追加資料
 
次に行うこと
 

法務省の公式情報を確認する

申請方法、相談、対象外土地、負担金などを確認できます。

法務省の公式ページを見る

相続した土地を国に返すときのよくある質問

相続した土地なら必ず国が引き取ってくれますか?

いいえ。 相続したというだけでは承認されません。 建物・抵当権・境界・利用状況・管理負担などの要件があります。

国庫帰属制度の成功率は何%ですか?

法務省は「成功率」を公表していません。 申請5,863件、帰属3,008件という数字はありますが、 単純な割り算を成功率として使うのは不適切 です。

建物がある土地は申請できますか?

建物がある土地は申請できません。 ただし、解体すれば必ず承認されるわけではありません。

確定測量は必ず必要ですか?

必須添付書面ではありません。 ただし、 現地で境界を示せること、隣人との争いがないこと が重要です。

申請費用はいくらですか?

審査手数料は 1筆14,000円 です。

承認後はさらに 原則20万円の負担金 が必要です。

審査はどれくらいかかりますか?

法務省Q&Aでは標準処理期間は 8か月 とされています。 案件によって長くなる場合があります。

承認されたら必ず負担金を払う必要がありますか?

納付しない選択もできます。 ただし、 通知到達翌日から30日以内に納付しなければ承認は失効 します。

相続登記前でも申請できますか?

相続等で取得したことを証明できれば、 相続登記未了でも申請自体は可能とされています。 ただし、相続登記義務とは別問題です。

まとめ|いらない土地ほど「申請前チェック」が重要

最後にもう一度確認

  • 相続土地は条件を満たせば国庫帰属制度で手放せます
  • 2026年7月31日時点で 国庫帰属は3,008件 です
  • 建物・抵当権・境界・通路などは必ず確認 します
  • 1筆14,000円の審査手数料は原則返還されません
  • 承認後の負担金は 原則20万円 です
  • 土地によっては20万円を大きく超える場合があります
  • 隣地所有者など別の引き取り手が見つかることもあります
  • 解体・測量など高額な作業をする前に法務局へ相談 しましょう

今日やることは3つ

①固定資産税通知書を探す → ②登記情報を確認する → ③土地の写真を撮る

ここまでできれば、 法務局への事前相談へ進めます。

参考資料・公式情報

確認した一次資料を表示する

公開時のファクトチェック

「国庫帰属3,008件」は 2026年7月31日時点の速報値 です。 公開時期が大きく後ろにずれる場合は、 法務省の最新統計へ更新してください。

また、 3,008件÷5,863件を「成功率」「承認率」と表現しない でください。

個別判断について

実際の承認可否は、 土地の現況・権利関係・境界・利用状況・地域・提出資料・実地調査などにより個別に判断されます。

解体・測量・登記・相続放棄・税金など重要な判断を行う場合は、 管轄法務局や司法書士、土地家屋調査士、弁護士、税理士などへ確認してください。

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