【2027年3月改正】東証の「呼値」で何が変わる?A・B・C新ルールと指値への影響

情報確認日:2026年8月25日

最初に確認する結論

2027年3月1日から東証の「呼値」は、 TOPIX500かどうかではなく、銘柄ごとの流動性を基準に決める仕組み へ変わります。

「呼値」とは、 指値注文で指定できる株価の最小刻み のことです。 新制度では通常の株式を主にA・B・Cの3テーブルに分け、 株価と流動性に応じて0.1円、0.5円、1円、5円など注文できる価格の刻みが決まります。

ただし、 「2027年から全部の株の呼値が細かくなる」という制度ではありません。 細かくなる銘柄、粗くなる銘柄、変わらない銘柄があります。

施行日 2027年3月1日 東証の規則改正で決定済み
新しい判定軸 銘柄ごとの流動性 STRという指標を利用
個人投資家への主な影響 指値の価格刻み 短期売買ほど要確認

ここだけ読めば分かる要点

  • 東証の新しい呼値制度は2027年3月1日から始まります
  • 現在の「TOPIX500か、それ以外か」という区分中心の制度から流動性中心へ変更 されます
  • 通常の株式は主にA・B・Cの3テーブルに分類されます
  • テーブルA=優良株、テーブルC=悪い株という意味ではありません
  • 呼値が変わると指値で入力できる価格と1ティック当たりの金額差が変わります
  • 呼値改正だけを理由に保有株を売る必要はありません
  • 特にデイトレ、板読み、細かい指値を使う人は取引前の確認が重要です
記事全体の目次を表示する
  1. 自分への影響を1分診断
  2. 呼値とは
  3. 2027年3月1日から何が変わる?
  4. 新しいA・B・C・Oテーブル
  5. 株価別の呼値
  6. STRとは
  7. なぜ制度を変える?
  8. 100株ではいくら違う?
  9. 指値・成行・逆指値の違い
  10. 投資スタイル別の影響
  11. テーブルの定期見直し
  12. 東証の参考試算
  13. ○×で勘違い確認
  14. 2027年までの準備
  15. よくある質問

まず2つの質問で自分への影響を確認する

全員が同じ影響を受けるわけではありません。 現在の銘柄区分と投資スタイルをクリックして確認してください。

今売買している銘柄はどれですか? 現行制度での区分から見ていきます。

TOPIX500でも新制度では流動性で再判定

現在はTOPIX500構成銘柄に細かい呼値が適用されていますが、 2027年3月以降は STRを使った流動性評価 が中心になります。

「今TOPIX500だから新制度でも必ず一番細かい呼値」とは限りません。

現在「その他」の銘柄も細かくなる可能性があります

新制度では指数区分ではなく流動性を使うため、 現在より細かい呼値テーブルへ移る銘柄もあります。

今の区分を知らなくても問題ありません

2027年3月以降は、 自分の銘柄にA・B・Cのどのテーブルが適用されるか を最新情報で確認する方が実用的です。

あなたの投資スタイルは? 呼値変更の影響度を確認できます。

影響を最も確認しておきたい層です

1ティックの値幅、板、スプレッドを重視する人は、 注文前に適用テーブルを確認する習慣 を付けておくと安心です。

細かい指値を使う人は要確認

エントリー、利確、損切りを数円単位で調整する場合、 入力できる指値そのものが変わる 可能性があります。

長期投資への影響は相対的に小さめ

数年単位で企業価値を見る投資なら、 呼値変更だけで投資判断を変える必要は通常ありません。

ただし売買するときの指値の刻みは確認してください。

そもそも株の「呼値」とは?

呼値とは、 売買注文を出すときに指定できる値段の刻み です。

例えば呼値が1円なら、 2,500円、2,501円、2,502円……と指値できます。

呼値が5円なら、 2,500円、2,505円、2,510円……という刻みになります。

呼値 = 指値注文で指定できる価格の最小ステップ

株価ボードで見る「売値と買値」

最良売気配 3,001円
1円 1ティック
最良買気配 3,000円

「呼値」と「値上がり幅」は違います

呼値が5円だから株価が必ず5円ずつ上昇・下落するという意味ではありません。

あくまで注文できる値段の刻みです。

2027年3月1日から「指数」ではなく「流動性」で決まる

現行制度では、 TOPIX500構成銘柄に細かい呼値テーブルが適用され、 それ以外の銘柄には別のテーブルが使われています。

2027年3月1日からは、 TOPIX500かどうかではなく、銘柄ごとの流動性を基準に呼値テーブルを決める方式 へ変更されます。

現在と2027年3月以降の違い
項目 現在 2027年3月1日~
主な判定軸 TOPIX500かどうか 銘柄ごとの流動性
流動性指標 新制度のSTR判定なし STR
通常株式 主に指数区分で分岐 A・B・C
見直し 指数構成変更等で変化 原則年1回

大型株だからAとは限りません

新制度では、 「有名企業」「大型株」「TOPIX500」という情報だけでは適用テーブルを判断できません。

取引時は東証や証券会社が示す最新の呼値を確認するのが確実です。

新制度のA・B・C・Oは何が違う?

通常の株式では、主にA・B・Cの3テーブルが使われます。 売買単位が1株・1口のETFやREITなどには専用のOがあります。

確認したいテーブルをクリック どのような位置付けかだけ先に確認できます。

テーブルA:超高流動性

Aは Active の頭文字です。 A・B・Cの中では細かな呼値が設定されています。

テーブルB:高流動性

Bは Basic の頭文字です。 呼値の細かさはAとCの中間です。

テーブルC:中流動性

Cは Calm の頭文字です。 株価によってA・Bより大きい呼値になります。

テーブルO:売買単位1株・1口用

Oは One Unit の意味です。 売買単位が1株・1口のETF、ETN、REIT等に使われる専用テーブルです。

A・B・Cは投資評価ではない

Aだから「買い」、Cだから「危険」という格付けではありません。

売買の流動性に合った価格刻みを設定するための区分です。

2027年3月1日からの呼値一覧表を表示する
東証の新しい呼値テーブル
株価 A B C O
100円以下 0.1円 0.1円 0.1円 1円
100円超~500円以下 0.1円 0.1円 0.5円 1円
500円超~1,000円以下 0.1円 0.1円 1円 1円
1,000円超~2,000円以下 0.2円 0.5円 2円 1円
2,000円超~5,000円以下 0.5円 1円 5円 1円
5,000円超~10,000円以下 1円 2円 10円 1円
10,000円超~20,000円以下 2円 5円 20円 2円
20,000円超~50,000円以下 5円 10円 50円 5円
50,000円超~100,000円以下 10円 20円 100円 10円
100,000円超~200,000円以下 20円 50円 200円 20円
200,000円超~500,000円以下 50円 100円 500円 50円
500,000円超~1,000,000円以下 100円 200円 1,000円 100円
1,000,000円超~2,000,000円以下 200円 500円 2,000円 200円
2,000,000円超~5,000,000円以下 500円 1,000円 5,000円 500円
5,000,000円超~10,000,000円以下 1,000円 2,000円 10,000円 1,000円
10,000,000円超~20,000,000円以下 2,000円 5,000円 20,000円 2,000円
20,000,000円超~50,000,000円以下 5,000円 10,000円 50,000円 5,000円
50,000,000円超 10,000円 20,000円 100,000円 10,000円

自分の株価をクリックして呼値を確認する

保有株や監視銘柄のおおよその株価を選んでください。

株価はいくらくらいですか? A・B・Cで1ティックがどれくらい違うか表示します。

100円超~500円以下

A=0.1円、B=0.1円、C=0.5円です。

100株なら1ティックの差は A・Bで10円、Cで50円 です。

500円超~1,000円以下

A=0.1円、B=0.1円、C=1円です。

100株なら A・Bで10円、Cで100円 です。

1,000円超~2,000円以下

A=0.2円、B=0.5円、C=2円です。

100株なら Aで20円、Bで50円、Cで200円 です。

2,000円超~5,000円以下

A=0.5円、B=1円、C=5円 です。

100株なら、 Aで50円、Bで100円、Cで500円 の差になります。

5,000円超~10,000円以下

A=1円、B=2円、C=10円です。

100株なら 100円、200円、1,000円 の差です。

10,000円超~20,000円以下

A=2円、B=5円、C=20円です。

100株なら 200円、500円、2,000円 の差です。

STRとは?新制度で重要になる流動性指標

STRは Spread to Tick Ratio の略です。

簡単に言えば、 売りと買いの価格差であるスプレッドが 呼値の何個分に相当しているか を見る考え方です。

STR = 売買スプレッド ÷ 呼値の単位

例:呼値1円・売買スプレッド3円の場合

最良売気配 3,002円
STR 3.0 3円 ÷ 1円
最良買気配 2,999円
STRをクリックすると見直し方向を確認できます 東証は1.5~5.0を基本的な適正範囲としています。

呼値を細かくする方向

BならA、CならBへ、 一段階小さい呼値テーブル へ移す方向です。

すでにAの場合はAのままです。

原則として現在のテーブルを維持

STRが1.5以上5.0以下なら原則変更なし です。

呼値を粗くする方向

AならB、BならCへ、 一段階大きい呼値テーブル へ移す方向です。

すでにCの場合はCのままです。

なぜ東証は呼値を変えるのか?

一見すると、 「注文を細かく出せるなら、全部0.1円にすればよいのでは?」 と思うかもしれません。

しかし、 呼値は細かければ細かいほど無条件に良いわけではありません。

呼値が粗すぎる場合

売値と買値の間へ、 より有利な価格を入れにくくなることがあります。

呼値が細かすぎる場合

注文が多くの価格へ分散し、 銘柄の流動性に対して過度に細かい状態になることがあります。

目標は「銘柄ごとにちょうどよい呼値」

新制度は、 銘柄の実際の流動性に合わせて価格刻みを調整する ことがポイントです。

100株ではいくら違う?具体例をクリック

株価だけを見ると0.5円や1円は小さく見えますが、 100株単位では金額差も変わります。

株価例を選んでください 1ティック違うと100株でいくら変わるか表示します。

株価1,500円なら

  • A:0.2円 × 100株 = 20円
  • B:0.5円 × 100株 = 50円
  • C:2円 × 100株 = 200円

株価2,500円なら

  • A:0.5円 × 100株 = 50円
  • B:1円 × 100株 = 100円
  • C:5円 × 100株 = 500円

短期売買では、 同じ株価でも適用テーブルによって1ティックの意味がかなり違う ことが分かります。

株価6,000円なら

  • A:1円 × 100株 = 100円
  • B:2円 × 100株 = 200円
  • C:10円 × 100株 = 1,000円

売買手数料ではありません

ここで示す50円、500円などは 隣り合う指値価格で約定代金がどれだけ違うか という意味です。 証券会社の手数料とは別です。

指値・成行・逆指値で影響はどう違う?

普段使う注文をクリックしてください。

よく使う注文方法は? 呼値改正との関係を表示します。

指値は最も直接的に影響します

指値として入力できる価格そのものが呼値に従います。

取引前に証券会社の画面で入力可能な価格を確認しましょう。

成行は価格入力の制約を直接受けません

成行では価格を指定しないため、 「0.5円刻みで入力できるか」という問題はありません。

ただし板やスプレッドが変われば、 約定価格には間接的な影響があり得ます。

逆指値は証券会社の仕様も確認

発動後に指値注文となる設定では、 新しい呼値に合った価格指定が必要になる場合があります。

詳細は利用中の証券会社の案内を確認してください。

投資スタイル別に見る影響度

個人投資家への影響の目安
投資スタイル 影響度 確認したいこと
デイトレ 大きめ 1ティック、板、スプレッド、指値
スイング 中程度 エントリー・利確・損切り価格
長期個別株 比較的小さい 売買するときの指値
新NISA長期保有 比較的小さい 呼値だけで投資方針を変えない

「呼値改正=儲かる材料」ではありません

呼値が細かくなっても、その銘柄の株価が上がる保証はありません。

業績、財務、需給、金利、為替、市場環境などとは分けて判断してください。

A・B・Cは固定ではない|原則毎年見直される

新制度では、 適用テーブルを 原則として毎年8月に見直す 運用が示されています。

評価には、 前年8月から当年4月までの9か月間のSTRが使われます。

STRと適用テーブルの基本的な見直し方向
STR 考え方 基本方向
1.5未満 呼値が相対的に粗い B→A、C→B
Aは維持
1.5~5.0 適切な範囲 原則変更なし
5.0超 呼値が相対的に細かい A→B、B→C
Cは維持

去年Aだったから今年もAとは限りません

流動性が変われば、 適用テーブルも変わる可能性があります。

過去の呼値を暗記するより、実際の注文時に最新の呼値を確認する方が安全です。

東証の参考試算では3割超の銘柄で細かくなる

東証は制度検討時に、 2025年8月実績を使って新制度を当てはめた参考試算を公表しています。

細かくなる試算 1,216銘柄 約32%
粗くなる試算 1,487銘柄 約39%
変わらない試算 1,082銘柄 約29%

2027年3月の最終銘柄数ではありません

これは2025年8月実績を使った制度検討時の参考試算です。

実際に2027年3月1日から各銘柄へ適用されるテーブルは、 東証が公表する最新情報を確認してください。

○×をクリックして呼値改正の勘違いを確認する

4問だけで重要な勘違いをチェックできます。

2027年からすべての株の呼値が細かくなる。○か×か?

正解は×です。細かくなる、粗くなる、変わらない銘柄があります。
正解です。流動性に応じて銘柄ごとに異なります。

テーブルAに入る会社は、投資先として優良である。○か×か?

正解は×です。A・B・Cは投資評価ではなく流動性に応じた呼値区分です。
正解です。企業の業績評価とは別物です。

呼値が細かくなれば、その株は上がりやすくなる。○か×か?

正解は×です。株価上昇を保証する制度ではありません。
正解です。企業価値や業績とは分けて考えます。

一度テーブルBになれば、今後ずっとBである。○か×か?

正解は×です。原則年1回、STRをもとに見直されます。
正解です。流動性が変わればテーブルも変わる可能性があります。

2027年3月までに個人投資家がやること

制度を丸暗記する必要はありません。 実際の取引前に確認できれば十分です。

クリック式チェックリスト 確認できた項目をクリックしてください。
  1. 自分の銘柄に適用されるテーブルを確認

    東証や証券会社の最新情報を使います。

  2. 現在の株価帯を見る

    同じテーブルでも株価によって呼値は違います。

  3. 注文画面で入力可能価格を確認

    指値を使う人は特に重要です。

  4. 短期売買なら板とスプレッドまで確認

    1ティックだけを見ず、実際の売買気配も確認しましょう。

覚えるのはこれだけ

2027年3月以降は、 「この銘柄は何テーブルで、今の株価なら何円刻みか」 を注文前に確認すれば十分です。

2027年の東証「呼値」改正でよくある質問

東証の呼値はいつから変わりますか?

2027年3月1日 からです。

呼値とは何ですか?

株を注文するときに指定できる 価格の最小刻み です。

2027年から全部の株の呼値が細かくなりますか?

いいえ。 細かくなる銘柄、粗くなる銘柄、変わらない銘柄があります。

TOPIX500なら今後も一番細かい呼値ですか?

そのようには決まりません。 2027年3月以降は銘柄ごとの流動性を中心に判断されます。

テーブルA・B・Cは何が違いますか?

株価ごとの呼値の細かさが異なります。 Aは超高流動性、Bは高流動性、Cは中流動性向けです。

呼値が変わると100株単位も変わりますか?

今回の改正の中心は 価格の刻み です。 通常の内国株の売買単位を100株から変更する制度ではありません。

成行注文にも影響しますか?

成行は価格を指定しないため、 指値のような直接的な入力制約はありません。

ただし板やスプレッドが変われば、 実際の約定価格へ間接的に影響する可能性があります。

新NISAの株は売った方がいいですか?

呼値変更だけを理由に売却する必要はありません。

呼値は企業価値や将来の株価上昇を決める制度ではありません。

自分の株がA・B・Cのどれかはどこで確認しますか?

東証は各銘柄へ適用される呼値テーブルをウェブサイト等で公表する方針です。 実際の注文時には利用中の証券会社の取引画面も確認してください。

最後に重要ポイントを確認

この記事の最終まとめ

  • 呼値制度の変更は2027年3月1日から
  • TOPIX500中心の区分から銘柄ごとの流動性中心へ変更
  • 通常株式では主にA・B・Cの3テーブル
  • 売買単位1株・1口の銘柄にはOテーブル
  • STRは呼値と売買スプレッドの関係を見る指標
  • 適用テーブルは原則として年1回見直される
  • 呼値が細かくなることと株価が上がることは別問題
  • 指値・短期売買を使う人ほど注文前確認が重要

個人投資家が取るべき行動

制度表を暗記するより、 売買直前に「適用テーブル・現在株価・入力可能な指値」の3つを確認 する方が実用的です。

参考資料・公式情報

この記事で確認した東証・JPXの一次資料を表示する

投資判断・今後の更新について

本記事は2026年8月25日時点で公表されている 東京証券取引所・日本取引所グループの公式情報をもとに整理しています。

2027年3月1日に各銘柄へ実際に適用される呼値テーブルは、公開時点の最新情報を必ず確認してください。

呼値の変更は特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。 個別株の判断では、企業の決算、適時開示、財務状況、市場環境なども確認してください。

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